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絵画のような美しさ!美術セット・衣装がスゴい映画10選

今回はストーリーはもちろんのこと、特に美術や衣装が美しい映画をご紹介します!

ゴージャスな装飾から絵画のような背景まで、見ているだけで楽しめる作品を選んでみました。

ぷや
ファッションやアート好きな方にもおすすめです!

 

美術・衣装が美しい映画10選

1. ムーラン・ルージュ(2001年)

1899年、パリのナイトクラブ、ムーラン・ルージュー。

作家を目指してパリにやってきた青年クリスチャンは、クラブの花形である高級娼婦サティーンと恋に落ちる。

一方、クラブのショーに資金の協力をする公爵は彼女を自分のものにしようと目論む。


出典:Moulin Rouge OfficialFacebook

ゴージャスなセットにどこかファンタジックでちょっと不思議な世界観も合わさり、独特の雰囲気が癖になります。特に”象の腹”はどことなく秘密基地感もあってとても惹かれました...!

意外とコミカルチックなシーンが多いですが、全体を通していいバランスで描かれていて飽きずに見られます。

挿入歌には聞き覚えのある名曲の数々が散りばめられていて、ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガーにてアレンジして歌われていたりしてとても豪華です。(吹き替え無しの本人たちの生歌です!)

テーマは”愛”。愛かお金か、2人の切ない悲恋を描いたミュージカルが元になった作品です。

特に前半は結構映像が目まぐるしく変わったりして好き嫌いはわりとはっきり分かれそうではありますが、ミュージカルがあまり得意ではないという方でも見やすいと思います。

豪華絢爛で壮大なショーは必見です!

 

2. 女王陛下のお気に入り(2018年)

フランスとの戦時下にある18世紀初頭のイングランド。

病弱なアン女王に代わり、幼馴染のレディ・サラが国家の権力を握っていた。

そんな中、没落貴族の娘でサラの従兄弟のアビゲイルが宮廷にやってくる。

サラはアビゲイルを支配下に置くがー。


出典:The Favourite OfficialFacebook

ゴージャスで緻密な宮廷の装飾が絵画のようです。
広い壁一面の装飾、飾られた絵画たち、豪華な調度品の数々、、、独特のカメラワークを挟みながら美しいセットを堪能できます。

重厚感のあるゴシック調の家具や内装に、少しレトロで湿っぽい映像が雰囲気にぴったりで世界観に引き込まれます。

史実に基づいている作品で、女たちの狡猾な思惑や欲望、嫉妬が絡み合い、ドロドロな内容ではありますが、その中でもたまにフッと笑える場面も。(一応コメディジャンルです。)

女王の不安定な精神状態やコロコロ変わる人格を見事に表現しているオリビア・コールマンの演技は一見の価値ありです!表情や空気感だけで彼女の心情がよく伝わって強い没入感を味わえました。
野心むき出しの強かなアビゲイルを演じるエマ・ストーンも素晴らしいです。

美術の美しさもそうですが、醜く欲望丸出しの人間臭さを好演する3人の女性の演技力に惹きつけられる作品です。

 

3. フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年)

20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部が舞台。

才能豊かな記者たちによって書かれる様々なジャンルの記事で人気を博していた。

ところが、急死した編集長の遺言により廃刊が決定する。

追悼号にして最終号となるその内容とはー。


これはまさにどこを切り取っても絵になるアートのような作品です。
ウェス・アンダーソン監督の作品は、小物から背景まですべて計算された独特の美しさは有名ですが、その中でも特にこの作品は芸術性が断トツだと思います。

色使い、配置、構図のほかに画面の縦横比を細かく変えたり、アニメーションでスピーディーかつコミカルに表現したりと、見せ方に強いこだわりを感じ、本当に海外のおしゃれな雑誌を見ているような気分になります。

最終号に掲載された内容をオムニバス形式で描いたストーリーで、監督自身がアメリカの雑誌”ザ・ニューヨーカー”にインスパイアされて制作されたとのこと。パリに住み、フランス映画が大好きというのもこの作品が生まれた大きな要素ですね。

動く絵画のようなので、字幕を消して映像だけで観ても楽しめるような作品だと思います。

 

4. 華麗なるギャツビー(2013年)

ニックの家の隣にある豪邸では、大富豪の”J・ギャツビー”という人物によって毎晩盛大なパーティーが開かれていた。

だが、誰も彼の素性を知るものはいない。

ある晩、パーティーに招かれたニックは、ギャツビーから彼の生い立ちや過去の話を聞く。

そのあまりにも出来すぎた話にニックは疑念を抱くー。


ド派手で豪華絢爛なパーティーが印象的で、その中でのギャツビー演じるレオナルド・ディカプリオの登場シーンが、まわりの背景も相まってひと際きらびやかです。

パーティードレスは時代を感じられるデザインが華やかで美しく、衣装も楽しめます。
1920年代が舞台になっていて、この時代の車がめちゃくちゃ可愛いんですよね。

前半はキラキラしていて華やかな印象ですが、後半からラストにかけてはなかなかいい気分とは言い難い展開。
人間のズルさ卑しさがよく表れていて胸クソではありますが、実際これがリアルだとも思わされたり....。

ギャツビーを繊細に表現するディカプリオのさすがの演技力も見ものです。

 

5. グランド・ブダペスト・ホテル(2014年)

ヨーロッパの格式高いグランド・ブダペスト・ホテルには、伝説のコンシェルジュと呼ばれるグスタヴ・Hという男がいた。

富豪の常連客が殺されたことでその疑いをかけられた彼は、事件の謎を解くためにベルボーイのゼロとヨーロッパを駆け巡る。


出典:SEARCHLIGHT PICTURES

とにかく色彩豊かで、衣装から小物までこだわり抜かれた美しさを感じます。

こちらもウェス・アンダーソン監督作品ですが、構図やひと癖あるキャラクター、クスッと笑える可愛らしさが特徴として強く生かされています。
時間軸が4つあり、年代によって縦横のアスペクト比を変えるという細かいこだわりも。

徹底した作り込みで、絵本の中に入り込んだような独特の可愛らしさに引き込まれます。本作は特に色使いがとても目を引くカットが多くて、印象に強く残るシーンがたくさんです。

ガチのミステリーやサスペンスと思う方がいますが、ウェス・アンダーソン監督特有のブラックユーモアが広がるコメディ作品です。

字幕はちょっと速いので、個人的には吹き替えで観たほうがよりコミカルさが伝わり、映像も堪能できると思います。

 

6. 鑑定士と顔のない依頼人(2013年)

天才鑑定士と言われる男に、両親が残した美術品を鑑定してほしいと依頼がくる。

しかしその依頼人の女性は絶対に姿を見せようとしない。

壁越しに会話をしていくが、だんだん女性をひと目見たいと思うようになりー。


絵画をはじめ様々な骨董品や美術品が画面を埋め尽くし、美術館にいるような気分になります。
特に依頼人クレアのお屋敷は、そこら中に置かれた美術品に、壁も一面美しい絵が施され、家とは思えないような贅沢な空間です。
主人公ヴァージルの家も立派な美術品、骨董品だらけで、見どころは圧巻の”秘密の部屋”。

そしてこれは大どんでん返しのミステリー作品で、最後にすべてが明かされます。急にまさかの展開になるあのシーンはまさに「唖然」。

『いかなる贋作の中にも必ず本物が潜む』。

この言葉にすがるしかない心境....。

ラストでいっきに伏線を回収してくれるのでスッキリしますが、やりすぎだよ....とやるせない気持ちが残りました。人によっては感じ方が違うみたいなので、どう感じるか、ぜひ観てみてください。

 

7. ジョジョ・ラビット(2019年)

第二次世界大戦下のドイツ。

10歳の少年ジョジョは青少年集団「ヒトラーユーゲント」に入団し、立派な兵士になることを目標としていた。

空想上の友達のアドルフを頼りにしながら奮闘する日々。

そんなある日、家の隠し部屋にユダヤ人少女が匿われていることに気づく。


出典:SEARCH LIGHT PICTURES

衣装、家具、街並みの色使いや配置、画角、風景などとてもおしゃれに映し出されていてフランス映画のようです。

オープニングで流れる映像にビートルズの「抱きしめたい」のドイツ語版がいきなり風刺が効いています。

センシティブな題材を綺麗な映像で軽快かつコミカルに描いていますが、子どもたちを利用してのプロパガンダからはナチスの徹底した強い執念と狂気を感じます。
その思想に侵食されながらも変化、成長していくジョジョと少女に希望を持って見ることができます。

そして母親役のスカーレット・ヨハンソンがユダヤ系にルーツを持つという事実を知って見ると、その行動や想いがさらにズシンと重く響きますね。

戦争がテーマだと忘れてしまいそうになるほど映像、音楽が美しく印象的で、内容とよくバランスが取れた作品です。

 

8. 2001年宇宙の旅(1968年)

人類の誕生ー。ヒトザルが黒い石を通して武器を使う知恵をつけ、生物の頂点に君臨した。

ーー時は過ぎ人類が宇宙を旅する時代。フロイド博士は月で発見された謎の石、通称”モノリス”の調査のため基地に向かう。

調査中、”モノリス”は木星に向かって強力な信号を発していることが判明する。


開始3分間くらい音楽のみで画面は真っ暗状態が続き、バグかと思いますが正常なので大丈夫です。
人類の誕生=夜明けまでを表しているという、大胆な演出です。

誕生から宇宙を航海するまでに進化した人類、科学技術、人工知能、地球外生命体などを哲学的に描いた作品で、アメリカ国立フィルム登録簿に保存されるほどの評価を得ています。

船内や宇宙空間はとてもこの時代に撮られたものだと思えないほど精密でクオリティが高く、まだ人類が月に到達したことがない時に作られた作品だと考えるとさらに驚きです。
セリフは少なめ、クラシック音楽が流れる印象的なシーンが多く、スタンリー・キューブリックらしい独特の雰囲気が漂う映像がとてもマッチしています。

内容は捉え方によって楽観的にも悲観的にも考えられますが、そもそも哲学すぎてすべてを理解しようと思ってもなかなか難しい内容です。が、一度は見ておく価値のある作品です。

 

9. いつか晴れた日に(1995年)

19世紀初頭イギリス。ダッシュウッド家の当主は、死に際に先妻との息子ジョンに全財産を相続する代わりに、現在の妻と3人の娘の面倒を見るよう頼んだ。

しかしジョンの妻によってその約束は反故にされ、4人は新しい家を探すことに...。


広い屋敷の豪華な内装、素朴ながらも可愛らしいコテージ、そして豊かな自然が見事に美しく描かれていて、常に画面が綺麗です。
柔らかい雰囲気をまとった映像がこの作品にぴったりで引き込まれます。

姉妹(エマ・トンプソン、ケイト・ウィンスレット)の恋愛をそれぞれの目線から丁寧に描いていて、喜怒哀楽、心の機微が伝わる繊細な演技はさすがといったところ。登場人物が皆ハマり役で、個性がしっかり表現されています。

ずっと変わらず支え見守り続ける大佐の大きな愛に胸がジーンとしました。

美しい映像を堪能でき、見終わったあとも爽やかな心地よい気分になれる恋愛映画としてもおすすめです。

脚本はエマ・トンプソンが手掛け、アカデミー脚色賞を受賞。
エマ・トンプソン、アラン・リックマンはじめ若かりし頃の有名な俳優たちが出演しているのも見どころです。

 

10. ある公爵夫人の生涯(2008年)

18世紀後半のイギリス。貴族の娘ジョージアナは若くして名門貴族のデヴォンシャー家に嫁ぐことに。

新しい生活に大きな期待を寄せていたジョージアナだったが、結婚生活は予想を裏切るものだったー。


ヨーロッパ貴族の広すぎるお屋敷、華やかな社交界、そしてアカデミー衣装デザイン賞を受賞した衣装も素晴らしいです。
いちいち広すぎるスペースには豪華な調度品や絵画が並び、圧倒的貴族の力を感じます。

実話をもとにした作品で、ジョージアナ・スペンサーというこの女性はなんとダイアナ元妃のご先祖だとか。なんだか人生も似ていて驚きました...。

終始重く悲しい内容で、ジョージアナの気持ちを考えると涙が止まりませんでした。
この時代は女性の立場が極端に弱く、特に貴族という立場になれば自分の意見や意思を通すことなんてできなかったと思うと、さぞ息苦しい生活だっただろうと思いました。

美しいセットや衣装とともに、歴史の一部をしっかりと感じられる作品です。

 

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まとめ

以上、今回は美術セット、衣装が美しい映画をご紹介しました。

セットや衣装、風景まで細やかなこだわりが感じられ、芸術的にも楽しめる作品がたくさんですね!

ストーリーも素晴らしいものばかり選んだので、気になる作品があったらぜひ観てみてください。

最後までご覧いただきありがとうございました!

 

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