ウェス・アンダーソン監督作品は新作含めて11作品ありますが、そのうち7作品がディズニープラスで配信されています。
Amazonプライムでも配信されていますがほぼ有料なので、見放題のディズニープラスのほうが気軽に楽しむことができます。
目次
ディズニープラスで見られるウェス・アンダーソン7作品
1. 天才マックスの世界(1998年)
出典:ディズニースタジオ
名門校ラッシュモアに通う15歳の少年マックスは、勉強はそっちのけで19ものクラブを掛け持ちし、落第ばかりしていた。
ある日、女性教師のローズマリーに恋をしたマックスは、同級生の父親で親友のハーマンに手助けをしてもらうがー。
ウェス・アンダーソン監督の初期作品で、この頃から構図、小物、音楽すべてにかけてこだわりが感じられますね。
クセ強めの主人公が普通の青春学園モノとはちょっと違った雰囲気。
なかなかこじらせちゃってる少年と、それに張り合うビル・マーレイが大人気ないけどいいコンビです。
監督自身が学生時代に演劇部の脚本や演出をされていたようで、主人公のマックスは学生時代の自分を重ねている部分もあるかもしれませんね。
2. ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001年)
幼くして成功を収め、天才児と呼ばれたテネンバウム家の3兄妹。
しかしおよそ20年後には、それぞれが問題を抱えた大人になっていた。
そんな時、死期が近いという父親と20年ぶりに一緒に暮らすことになる。
家族間の複雑な関係と、その修復をコミカルに愛をもって描かれた作品。
ビートルズで始まるオープニングはストーリーと歌詞がリンクしていて秀逸です。
個性際立つキャラクター、70年代風の衣装や音楽もストーリーにアクセントを出してくれます。
ちょっと変わった家族のゴタゴタ、クスッと笑えてほんのり切なさもある家族ムービーです。
3. ライフ・アクアティック(2004年)
新作の映画が不評に終わった海洋探検家で映画監督でもあるスティーヴ・ズィスー。
撮影中に親友を襲ったジャガーザメを探しにいつもの仲間たちと新たな航海に出ることに。
しかし今回は自分の息子だと名乗る青年や女性記者が同乗することになり、様々な人間ドラマが生まれていく。
ウェス・アンダーソン監督自身が子供の頃憧れた海洋学者のジャック=イヴ・クストーへのオマージュとして制作された映画です。
印象的な赤い帽子も彼のトレードマークからきているよう。
潜水艦を断面で見せる構図や、オリジナルの海中生物はストップモーションアニメで描かれていたりと、楽しませてくれる工夫が散りばめられています。
ちょっとB級感漂う演出も感じられて、おしゃれな中にもシュールな空気感はさすが、クスッときますね。
随所に挟まれるデヴィッド・ボウイのカバーが作品の雰囲気とマッチしていて、少し脱力しながら見たい作品です。
4. ダージリン急行(2007年)
父の死をきっかけに1年間絶縁状態だったフランシス、ピーター、ジャック。
長男フランシスの提案で3兄弟はインドに旅行することに。
目的は母親に会うことと、兄弟の絆を取り戻すことだがー。
インドの風景と列車の内装や色味が情緒を感じさせます。
何気ないシーンでも印象付けられるような独特の色彩美とカメラワーク。
イニシャル入りのヴィトンのバッグをあんなに豪快に雑に扱うところも好きです。(笑)
3兄弟の個性が際立っていて、やり取りがコミカルでそれぞれ愛着が湧いてきます。
エンドロールがまたいい雰囲気で、最後までしっかりおしゃれな映画です。
5. グランド・ブダペスト・ホテル(2014年)
出典:20世紀スタジオ
ヨーロッパの格式高いグランド・ブダペスト・ホテルには、伝説のコンシェルジュと呼ばれるグスタヴ・Hという男がいた。
富豪の常連客が殺されたことでその疑いをかけられた彼は、事件の謎を解くためにベルボーイのゼロとヨーロッパを駆け巡る。
とにかく色彩豊かで、衣装から小物までこだわり抜かれた美しさを感じます。
アカデミー賞を受賞しており、ウェス・アンダーソン監督の特徴が強く生かされている作品のひとつだと思います。
時間軸が4つあり、年代によって縦横のアスペクト比を変えるという細かいこだわりも。
徹底した作り込みで、絵本の中に入り込んだような独特の可愛らしさに引き込まれます。
字幕はちょっと早いので、個人的には吹き替えで観たほうがよりコミカルさが伝わり、映像も堪能できると思います。
6. 犬ヶ島(2018年)
近未来の日本。
メガ崎市ではドッグ病が蔓延し、小林市長はすべての犬を隔離すべく”犬ヶ島”をつくった。
そこに捨てられた愛犬を救うために12歳の少年アタリが犬ヶ島へやってくる。
そこで出会った5匹の犬たちと愛犬スポッツを探す旅に出るが、大きな陰謀が判明していく。
独創的な世界観をストップモーションアニメで表現した作品。
日本が舞台ですが、近未来と伝統と海外から見た日本のイメージ、そしてウェス・アンダーソンの遊び心ある演出によって、ファンタジックでカオスな日本を見ることができます。
ワンちゃんたちの感情が繊細に伝わってきて、ストップモーションアニメでここまで心に響く温かい作品になっていることに驚きました。
ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞、声優が無駄に(笑)豪華なところもまた見どころのひとつです。
7. フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊(2021年)
出典:20世紀スタジオ
20世紀フランスの架空の街にある「フレンチ・ディスパッチ」誌の編集部が舞台。
才能豊かな記者たちによって書かれる様々なジャンルの記事で人気を博していた。
ところが、急死した編集長の遺言により廃刊が決定する。
追悼号にして最終号となるその内容とはー。
これはまさにどこを切り取っても絵になるアートのような作品です。
最終号に掲載された内容をオムニバス形式で描いたストーリーで、監督自身がアメリカの雑誌”ザ・ニューヨーカー”にインスパイアされて制作されたとのこと。
パリに住み、フランス映画が大好きというのもこの作品が生まれた大きな要素ですね。
動く絵画のようなので、字幕を消して映像だけで観ても雰囲気に浸れて目で楽しめるような作品だと思います。
ウェス・アンダーソンを見るならディズニープラス!
今のところ動画配信サービスでウェス・アンダーソン作品が配信されているのはディズニープラスとAmazonプライムビデオです。
どちらも全作品そろっているわけではなく、Amazonプライムは2023年9月現在はすべて有料での配信になっているようです。
なのでなるべく多くの作品を見たいという場合はディズニープラスで見るのをおすすめします。
今後はすべての作品が見られるようになってくれると嬉しいですね。
おしゃれで独特で個性的なウェス・アンダーソンワールドを堪能してみてください!